長尾和宏 × 西川 りゅうじん 【知っ得健康対談】

写真:長尾和宏 × 西川 りゅうじん 【知っ得健康対談】

医療法人社団裕和会 理事長
長尾クリニック 院長
長尾和宏先生
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健康寿命をのばそう運動主宰
西川りゅうじん氏

増加する《ワクチン後遺症》患者を救え
コロナワクチンで苦しむ人たちの声を聞いて!

医療の受け皿がない「ワクチン後遺症」

西川:長尾先生は、映画化されたご著書の通り、「ひとりも、死なせへん」覚悟で、日本で最も多くのコロナ患者に実際に接し、実地で治療に当たって来られた医師のお一人として、全国的につとに知られています。どのように、コロナ禍と闘って来られたのでしょうか?

長尾:クリニックが10万人当たりの感染者数が最多となったエリアにあり、6千人以上の発熱患者、 1200人以上のコロナ患者に接し、600人以上を直接、診療しました。早期診断・即治療に取り組み、今日まで1人も亡くなっていません。ワクチンは、私自身も接種し、約3千人に2回、計6千回ほど打ちました。接種後、1か月以内の死亡はありませんでしたが、90歳以上の高齢者で、その後、亡くなった人が3人いました。

西川:地域の医療の要として、お正月の元旦の夜まで、天寿を全うされた方を先生自ら看取って死亡診断書を書かれたとうかがい、頭が下がります。その医療の最前線で奮闘しておられる先生のクリニックに、昨今、コロナワクチンが原因であると疑われる症状で行き場を失った患者が、日々詰めかけていると聞きます。

長尾:コロナにかかった後のコロナ後遺症の人も100人ほど診ていましたが、コロナワクチンの接種が進むにつれ、接種後、学校に行けなくなった子ども、家事ができなくなった人、働けなくなった人など、医師として、とても看過できない事例が、事実、少なからず、出てきています。

西川:具体的にはどのような症状なのでしょうか?私の周囲でもワクチン接種後に、接種との関係は分からないものの、不調を訴える人や仕事を休まざる得ない人が増えています。

長尾:呼吸困難、胸の痛み、動悸、異常な倦怠感、しびれ、筋肉のまひ、頭痛、めまい、ブレインフォグ(脳に霧がかかったような状態)など多岐にわたります。慢性疲労症候群のような日常生活がままならない症状です。現在、そういったコロナワクチン接種後に苦しんでいる50人以上の患者を診療していますが、ワクチンとの因果関係は100%だと言えるでしょう。私は一連のこういった症例を「ワクチン後遺症」と名付けました。

西川:ワクチンを打った後の副反応とは異なるのでしょうか?

長尾:接種直後に発熱したり、腕やリンパ節が腫れるなど数日で回復する副反応とは異なり、その後も回復しなかったり、時間が経ってから症状が出て来たり、悪化するケースを、「ワクチン後遺症」と位置づけています。中には打ってから1週間後に突然動けなくなる人もいます。

西川:そういった人が家族と病院に行っても、検査しても原因がわからず、「精神的なものでは」と門前払いされたり、さまざまな診療科をたらい回しにされることもあると聞きます。

長尾:その通りで、まったく医療の受け皿がありません。ワクチンは国が接種を進めているわけですから、本来、国が考えるべきことですが、「ワクチン後遺症」の存在自体が認められていない状況です。まず、こういう病気があることを認めてもらわねばなりません。3回目のブースター接種が開始され、さらに2022年3月から5歳~ 11歳の子どもへの接種も始まります。その結果、「ワクチン後遺症」に苦しむ老若男女の増加が懸念されます。

西川:国民の約8割が2回接種しましたが、接種後に副反応との関連性が疑われる死亡事例が1400件以上報告され、重篤な副反応に見舞われた人も数多くいます。しかし、「因果関係が評価不能」だと99%の人が死亡一時金や医療手当をもらえていません。そんな状況ですから、「ワクチン後遺症」の患者には何のサポートも手当もありません。これでは法治国家ならぬ「放置国家」です。先生は「ワクチン後遺症」患者をどのように治療しておられるのですか?

長尾:今回のコロナワクチンは人類が初めて実用化し、政府が特例承認した治験中のmRNAワクチンですから、まだわからないことばかりです。患者ごとの容態に合わせ、今までコロナ患者の治療に当たって来た知見と経験をもとに、手探りで治療を施し、一定の成果を挙げつつあります。

「ワクチン後遺症」にならないためには

西川:自分自身や家族がコロナにかからず、コロナ後遺症やワクチン後遺症にならないためには、何を心がければよいでしょうか?

長尾:やはり、自己免疫力を高めることにつきます。『病気の9割は歩くだけで治る!』という本を書きましたが、ステイホームならぬ「ステイホームタウン」です。適度な有酸素運動、バランスのとれた食事、睡眠という当たり前のことが大切です。引きこもらずに歩いて、太陽の光を浴びれば体内でビタミンDが生成されますし、免疫の立役者であるIgA抗体が増え、自律神経の働きもよくなります。日本には納豆や緑茶といった素晴らしい伝統食もありますしね。

西川:先生を中心に開催された緊急シンポジウムの記録映像『ワクチン後遺症』が公開され、各地で大きな反響を呼んでいます。お話をうかがって、「ワクチン後遺症」がウィズコロナ、ポストコロナの時代に非常に重要な課題だと痛感しました。まず家族や友だちに知らせます。多くの示唆に富むお話をありがとうございました。

Dr.Nagao's Topic 『記録映像 ワクチン後遺症』 長尾和宏先生と先生が診療中の「ワクチン後遺症」に苦しむ当事者、京都大学ウイルス研究所の宮沢孝幸准教授、ジャーナリストの鳥集徹氏、薬害被害者救済に取り組む弁護士の青山まさゆき氏、後遺症患者の受け皿をいち早く整備した大阪府泉大津市の南出賢一市長が登壇、約千人の市民が集まり開催された「ワクチンを考える会」の記録映像が各地で公開され、大きな反響を呼んでいる。コロナワクチンで苦しむ人たちの声に耳を傾けよう!

長尾 和宏先生プロフィール

写真:長尾 和宏先生

東京医科大学卒業。大阪大学医学博士。同大学病院を経て、市立芦屋病院に勤務。1995年兵庫県尼崎市に長尾クリニックを開業し現在に至る。著書に『ひとりも、死なせへん~コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記~』『病気の9 割は歩くだけで治る!』など。『痛くない死に方』は映画化され、ドキュメンタリー『けったいな町医者』とともにロングラン上映中。ニコニコ動画の『長尾和宏コロナチャンネル』は全国的に大きな支持を得ている。