早田 輝子 × 西川 りゅうじん 【知っ得健康対談】

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女性ライフクリニック新宿院長 早田 輝子先生 × 健康寿命をのばそう運動主宰 西川りゅうじん氏

女性の体調不良 心疾患が原因かもしれません

西川:先生は幅広い見地から診療していただけると評判ですが、最初に女性が気を付けたい心疾患について教えてください。

早田:「胸が締め付けられるように痛む」という人は狭心症を疑ってみるべきでしょう。狭心症には労作性(ろうさせい)と攣縮性(れんしゅくせい)の2種類があります。労作性狭心症は階段を上ったり、重いものを持ったりといった労作をしたときに胸が痛むもので、心臓を栄養する冠動脈の狭窄で起こります。一方、冠動脈がけいれんをして起こる攣縮性狭心症は、就寝中や明け方など安静時に起こります。

西川:攣縮性狭心症の症状とはどのようなものですか?

早田:胸の締め付けられるような痛みが典型的ですが、その他、肩や背中への放散痛、あごやのどの痛み、倦怠感などの症状を訴える方もいます。心筋梗塞とは異なり、症状は病院受診するまでに治まっていることが多く、その場合は来院時心電図検査で異常がみられないことが殆どです。不定愁訴(漠然とした身体の不調)とされてしまう場合も少なくありません。

西川:年齢やストレスで少し具合が悪いだけだと思い込み、狭心症を見逃すのは危険ですね。どのような人がなりやすいのでしょう?

早田:労作性狭心症は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を有している人がなりやすいです。攣縮性狭心症は、ストレスのほか、不眠、過労、過度の飲酒などが発作の誘因となります。また、エストロゲン(女性ホルモン)には血管の保護作用があるので、それが急激に減少する更年期以降のほうが女性は狭心症になりやすくなります。「つらい」「おかしい」と感じたら、気軽にまず循環器の専門医に相談してください。

心身の健康には日常的なケアと多角的アプローチが大切

西川:女性が健康と美容のために心がけるべきことは何でしょうか?

早田:食事、運動、自分自身のケアの3つでしょう。食事で気を付けたいのは加工品です。工場で大量生産され手軽に買えるものは、たいてい、糖質と脂質が多く、添加物がたくさん入っています。若いときから将来の健康と美容のために、そして、お子さんの健康のためにも避けたいですね。

西川:食べたもので体が作られるわけですから、医食同源という通り、本来、医療と食は同じですね。日々の食事で気を付けるべき点は?また、女性が好きなスイーツをどうしても食べたいときは何を選べばいいですか?

早田:和食中心の食生活がおすすめです。また、甘いものを食べたいときは、和菓子や原材料がシンプルで質の良いものを少しだけ楽しむのがいいでしょう。脂質が少ない、わらび餅、プリン、ヨーグルトなど。カステラはトランス脂肪酸が使用されていないものが多いです。間食には、ナッツ、小魚、ドライフルーツ、甘酒豆乳といったタンパク質やビタミン、ミネラルが摂れるものを選択するとよいと思います。

西川:運動は何をすればよいのでしょう?

早田:適度な運動は健康の源。血液を循環させることが大事ですから、日常生活の中でなるべく歩く習慣を付けるといいですね。それに、スクワットも効果的です。また、ストレッチして関節の可動域を広げることも大切です。

西川:女性の社会進出に伴って、仕事も家庭も忙しい人が増えています。自分自身をケアすることも忘れないでいただきたいですね。

早田:女性は特に母親になると子育て中心になって、自分自身のケアが後回しになりがちです。心身が満たされれば、周囲にあたたかく接することができますし、自分も気持ちよく過ごせます。我慢し過ぎないこと、自分の時間を持って自分自身をいたわることを、忙しい女性は意識した方がいいでしょう。心身が疲れてしまったときは、自分をきちんといたわっているか見つめ直してみてください。

西川:先生は、東洋医学、アロマテラピー、サプリメントにも精通しておられますね。

早田:西洋医学に加え、漢方を用いることで相乗効果が得られる場合が少なくありません。アロマテラピーは過剰な交感神経反応を整え、リラックス効果があります。香りには個々の効能がありますが、好きな香りを楽しむのが一番です。また、サプリメントはあくまで食事の栄養補助ですが、女性が不足しがちな鉄分やカルシウム、亜鉛などを摂取するには有効です。

氾濫する健康情報に惑わされない知識を持つ

西川:現在は健康に関する情報があふれかえっていて、逆に何が正しいのかよく分からない時代です。年やストレスのせいだと甘く考えず、信頼できる医師にすぐに相談することはもちろん、みずから学ぶことも大切ですね。

早田:ネットやマスコミの情報に惑わされて不確実な民間療法で失敗したり、痛みを我慢できなくなるまで放置したりして手遅れになるケースもよくあります。反対に心配し過ぎてドクターショッピングすることも問題です。一人一人が健康づくりと医療に関する基礎的な知識を持つことも大事です。

西川:早田先生のように患者の立場に立って多角的に診療していただける医師は本当に心強いです。わかりやすくお話いただき、ありがとうございました。

早田 輝子先生 プロフィール

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医学博士。昭和大学医学部卒業。
女性ライフクリニックの対馬ルリ子理事長の理念に則り、西洋医学、漢方、食事、運動、アロマセラピー、サプリメントなど幅広い見地からテイラーメイドの診療を行っている。
日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会認定内科医認定医、日本医師会認定健康スポーツ医。
プライベートでは、10年以上ヨガを続け、11歳と8歳の二児の母。